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[発表] LPWAのシェアリングエコノミー (共有サービスモデル)

ソラコムの玉川です。本日は、LPWA (Low Power Wide Area)であるLoRaWAN™のシェアリングエコノミーを目指した新しい発表をさせていただきました。LPWAやLoRaWANに関しては、こちらのブログを参照ください。

前置き

2017年2月7日にSORACOM LoRa Conferenceを開催しており、そのキーノートで、沢山の新サービスを発表させて頂きました。このブログポストでは、キーノート資料を抜粋して、新発表のポイントを解説させていただきます。

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LPWAのシェアリングエコノミーを目指して

LoRaWANは非常に面白いテクノロジーで、LoRaWANで使われているLoRaという無線技術はWiFiのようにアンライセンスド(無免許)で誰でも利用することができ、誰でもゲートウェイ(基地局)を任意の場所に設置できます。また、小さなLoRaデバイスを手にしているだけで数km離れたゲートウェイに小電力でデータを送ることが出来ます。本日より、ソラコムはLoRaWANを正式に提供開始したので、誰でもこのLoRaゲートウェイとLoRaデバイスを購入して所有し、任意の場所に迅速にプライベートのLoRaネットワークを構築できるようになりました。これをゲートウェイの所有モデルとします(所有モデルについてはこちらを参照ください)。

所有モデルは便利ですし、プライベートなネットワークを自身で構築できるという安心感があります。所有モデルで立てていただいたゲートウェイは、デフォルトでプライベート設定になっていますので、自分以外は利用することが出来ません。

SORACOM LoRaWAN

一方で、電波資源のことを考えると、LoRaWANが利用しているサブギガ(920MHz帯)は貴重な有限資源です。LoRaがWiFiと違い数kmに渡って届くということを考えると、誰もがどこもかしこもゲートウェイを自分のためだけに設置するというのはいつか限界がくるかもしれません。

そのようなことを考えたときに、所有するよりも利用する、共有できるところは皆で共有して使う、というシェアリングエコノミーの考え方を適用したほうが、持続可能な社会のためには良いのではないか、というのが今回の発表のきっかけになっています。

ゲートウェイの共有サービスモデルを発表

本日、LPWAのシェアリングエコノミーを目指して、今回、ゲートウェイの所有モデルに加えて、新しい取組として、共有サービスモデルを発表しました。

LoRaWAN 共有サービスモデル

このモデルでは、ソラコムが所有するLoRaゲートウェイを、サービスとして契約したお客様の所有地に設置させて頂きます。ゲートウェイの設定はパブリックモードとなっているため契約頂いたお客様のみならず、他のお客様のLoRaデバイスもこのゲートウェイを経由してデータを送ることが出来ます。つまり、お客様Aが契約頂いたゲートウェイ(ソラコム所有)を皆で共有して使うことが出来ます。つまり、多くのお客様がこの共有サービスモデルを使っていただくことで、全てのお客様が使えるゲートウェイが全国に増えていくことになります。

(ちなみに、技術的な話となりますが、電波としては、どのみちゲートウェイは全て受け取ることになるので(プライベートかパブリックかに限らず)、このゲートウェイのバックホールの帯域はソラコム回線で提供されていてソラコムが支払っているので、ゲートウェイの処理能力が満杯になるのはよっぽどLoRaデバイスの数と送信数が多くない限り起きないので、ほとんどのお客様にとっては気にならないと思います。)

LoRaWAN 所有モデルと共有サービスモデル

所有モデルと共有サービスモデルの違いはこの通りで、所有モデルの場合、お客様が所有されており、デフォルト設定としてプライベート設定なので、他のお客様がそのゲートウェイを経由してデータを送ることはできません。

共有サービスモデルの場合、ソラコム所有のゲートウェイがサービスモデルとして提供されるので、それをB社に設置していただきます。このゲートウェイの圏内であれば、全てのお客様がLoRaデバイスからデータを送信することができます。

SORACOM LoRa Spaceの発表

さらに、この共有されたゲートウェイがどこにあるか明確にするために、SORACOM LoRa Spaceと呼ばれるWebサイトも開設しました。こちらでは、地図上で、パブリックモードにされているゲートウェイを確認することができますので、その圏内からLoRaデバイスでデータを送信できます。

SORACOM LoRa Space

共有サービスモデルの利用料金

共有サービスモデルの利用料金は以下の通りです。

LoRaWAN 共有サービスモデルの利用料金

LoRaインドアゲートウェイの初期費用は、24,800円。月額の利用料金は上記の9,980円ですが、SORACOM Air for LoRaWANの利用料金(コンソールでのデバイス管理、ゲートウェイ管理など)と、ゲートウェイのセルラー料金が含まれています。

また、月額の利用料金と同額分をSORACOMアプリケーションサービス利用料としてお使い頂けます。次の、LoRaデバイスの利用料金のほとんどに充当することができます。

LoRaデバイスの利用料金

LoRaデバイスのSORACOM Air for LoRaWANの利用料金は、無料です。今回のArduino開発シールドの場合、初期の購入費用は7,980円となります。

LoRaWAN LoRaデバイスの利用料金

SORACOMアプリケーションサービスの利用料金は、通常の利用料金と同じなので、LoRaデバイスからBeamを使ってデータを送るのは、1リクエストあたり0.0018円となっています。ですので、例えば、1日1回データを送るユースケースだと1月30日計算すると0.054円となり、非常に安い料金でLoRaデバイスをお使い頂けます。

ユースケース別料金試算

LoRaWAN ユースケース別料金試算

ユースケース毎の利用料金の試算です。初期登録費やデバイス購入費用などの初期コストは入っておらず、毎月の利用料金です。この共有サービスモデルにおいても、よほど沢山のデータをLoRaデバイスから送らない限りは、ゲートウェイの利用料金が支配的なコストになるので、1台のゲートウェイあたりどのくらいのデバイスを用いるか、によって月額費用例が変わってきます。

例えば、ゴミ箱のような1台のゲートウェイあたり500台の場合、デバイス1台あたり19.9円となります。逆に、水道メーターのように中規模の都市にゲートウェイをはりめぐらせて計測する場合は、1台あたり3000個のデバイスとなるので、月額では3.32円となり、年額では39.84円となり、非常に低額となります。

一方で、一番上の電灯監視のように1分単位でデータを送り続けるような特殊なものの場合は、ゲートウェイに付属しているSORACOMアプリケーションサービス利用料を超えているので、デバイスあたりの月額コストは80.3円となっています。

LoRaゲートウェイの所有モデル vs 共有サービスモデル

こちらは所有モデルと共有サービスモデルを比較した表になります。

LoRaWAN 所有モデルと共有サービスモデルの比較

所有モデルは、ご自身で所有していただくので、契約期間や設置場所、プライベート設定か共有設定か、細かいところまで柔軟性の高いモデルになっています。 共有サービスモデルは、皆に使ってもらうゲートウェイとして設置場所の公開が必要、パブリックモードである、常時接続の維持が必要(常に電源をいれておく)という制限がある分だけ、利用料金としては安い設定になっています。

Arduino開発ボードの初回キャンペーン開始

さて、共有ゲートウェイがどんどん増えてくると、多くのお客様は、LoRaデバイスさえもっていれば、SORACOM Air for LoRaWANをご利用いただけます。今回、発表を記念して、LoRa Arduino開発シールドを通常価格 7980円のところ、期間限定先着順で4980円となるキャンペーンを設定していますので、是非、SORACOMのコンソールからご購入ください。

まとめ

今回の共有サービスモデルは、非常にユニークなモデルですが、所有より利用へ、持続可能な社会を作っていく、というような長期的な世の中の流れに則していると考えています。また、SORACOMのビジョン「世界中のヒトとモノをつなげ、共鳴する社会へ」に非常に合致しています。

LoRaWANがより普及して沢山の人に使っていただき、日本から世界から沢山のイノベーションが起こって欲しい、というのがソラコムの願いです。

今後、SORACOM対応のLoRaゲートウェイ、LoRaデバイスをパートナー様と拡充していく予定ですので、引き続きどうぞ宜しくお願い致します!

玉川