SORACOMエンジニアブログ

ソラコムの最新技術情報をお届けします

ケース入りマイコンモジュール "M5Stack" 用の「3G 拡張ボード」の販売を開始

「IoT をいつでも、だれでも、簡単に」

ソラコムは IoT 向けプラットフォームとして、無線通信を中心にサービスをお使いいただいておりますが、通信を活用するためのデバイスも様々手掛けております。

そんな中、今回は M5Stack 用の 3G 拡張ボードの販売を開始しましたので、ご紹介します!

3G 拡張ボード 外観

M5Stack とは?

M5Stack” というマイコンモジュールをご存知でしょうか? 「マイコン」と聞くと 基板やチップむき出し こんなイメージを持っている方も多いと思いますが、この M5Stack はカラーディスプレイ、3 つのボタン、スピーカー、TF(microSD)カードスロットに加えて、150 mAh バッテリーと、ピンヘッダや Grove コネクタが搭載されて、しかもケースに入っています

M5Stack Basic 外観

M5Stack は ESP32 というマイコンが搭載されており、これ単体で Wi-Fi/Bluetooth を使った近距離の無線通信が可能で、Qiita を始めとして、様々な「やってみた」を実現できるモジュールです。

M5Stack 用 3G 拡張ボード

M5Stack はその名の通り、拡張ボードを「スタック」(積む)ことで機能をつけ足すことができます。 例えば GPS モジュール や、 バッテリー などですが、今回ご紹介する 3G 拡張ボード も同様に、 M5Stack へ「積む」ことでご利用いただけます。

3G 拡張ボード を取り付けた様子

※ M5Stack Basic に取り付けた様子。濃くなっている部分が 3G 拡張ボード。

内部には 3G モデムの他、nanoSIM スロットとアンテナが入っているため、これ一つで M5Stack に 3G 通信機能を付与することが可能です。

3G 拡張ボード 外観

実際の使い方

以下に実際の使い方をご紹介します。すでに M5Stack を使って開発されている方はすぐに使い始められますが、M5Stack が初めてという方は開発者サイトArduino IDE やドライバーのセットアップ手順を記載していますのでご参照ください。

実際に始めようとして気をつけないとな、と思ったのがこちらの 2 点です。

  1. SORACOM IoT SIM でご利用いただけるプランは plan01s (Low Data Volume 含む), plan-D のみです。

    ソラコムで提供している他のプラン (KDDI 回線の plan-K、KDDI 回線のセルラー LPWA に対応した plan-KM1、大容量データアップロードが可能な待望の plan-DU)はすべて LTE のみとなっていますので、残念ながらこの 3G 拡張ボードで使用できません。

  2. 1.5mm の六角レンチもしくは六角ドライバーが必要です。

    SIM カードを挿入のためにケースから基盤を取り外す際に使います。M5Stack Basic 部分の TF (microSD) カードのように外側にスリットがあると便利かなとも思いましたが、気軽に SIM カードを抜かれることもありませんので少し安心ですね(M5Stack まるごと持って行かれる危険は残りますが… )。

上記を頭に入れていただきまして、3G 通信を使用するまでの流れは以下のようになります。

  1. SORACOM アカウントを作成する
  2. 3G 拡張ボードに SORACOM IoT SIM を挿入する
  3. M5Stack に「積む」
  4. ボード定義とライブラリをインストール/更新する
  5. スケッチを書く
  6. 実行する

SORACOM アカウントを作成する

まだお持ちで無い場合は SORACOM アカウントを作成し、対応するプランの SIM カード(ナノサイズ)をゲットしてください。

3G 拡張ボードに SORACOM IoT SIM を挿入する

ここで上記の 1.5mm の六角レンチもしくは六角ドライバーを使って基板をケースから取り外します。写真のようにスロットを左下に置いて SIM カードの数字が書いてある面を表、角がかけている側を右側にして奥まで挿入してください。

SIM カードを挿す

上の写真は表裏が分かるよう飛び出した状態で撮っていますが、最後まで押し込むと基板からはみでることはありません。スロットにはスプリングが入っていますので、M5Stack の TF (microSD) カードスロットと同様一度奥に押し込むと取り出せます。アンテナもケースの中にパッケージされていますので取り回しがとても簡単でいいですね。

M5Stack に「積む」

M5Stack 本体とボトムモジュールの間に 3G 拡張ボードを挟む形で取り付けてください。ピンソケットを曲げてしまわないか緊張する瞬間ですがモジュール間のスキマがなくなるようぐっと押し込みます。

ボード定義とライブラリをインストール/更新する

M5Stack をお使いの方は設定済みと思いますが Arduino IDE 設定の追加のボードマネージャとして https://dl.espressif.com/dl/package_esp32_index.json を指定しボード定義をインストールしてください。同様に使用するライブラリもインストールします。

  • ボード定義 (Arduino IDE の [ツール] > [ボード] > [ボードマネージャ]): esp32 by Espressif Systems です。
  • ライブラリ (Arduino IDE の [スケッチ] > [ライブラリをインクルード] > [ライブラリを管理…])
    • M5Stack by M5Stack
    • TinyGSM by Volodymyr Shymanskyy (TinyGSM がソラコムで動作を確認した 3G 通信用ライブラリです。他にも使えるものがありましたら Twitter などでぜひ教えてください!)

スケッチを書いて実行する

ここまで終われば実際にスケッチから 3G 通信をお楽しみいただけます。以下のスケッチを M5Stack にアップロードするだけで HTTP 通信をお試しいただけます。

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#include <M5Stack.h>

#define TINY_GSM_MODEM_UBLOX
#include <TinyGsmClient.h>

TinyGsm modem(Serial2); /* 3G board modem */
TinyGsmClient ctx(modem);

void setup() {
  Serial.begin(115200);
  M5.begin();
  M5.Lcd.clear(BLACK);
  M5.Lcd.setTextColor(WHITE);
  M5.Lcd.println(F("M5Stack + 3G Module"));

  M5.Lcd.print(F("modem.restart()"));
  Serial2.begin(115200, SERIAL_8N1, 16, 17);
  modem.restart();
  M5.Lcd.println(F("done"));

  M5.Lcd.print(F("getModemInfo:"));
  String modemInfo = modem.getModemInfo();
  M5.Lcd.println(modemInfo);

  M5.Lcd.print(F("waitForNetwork()"));
  while (!modem.waitForNetwork()) M5.Lcd.print(".");
  M5.Lcd.println(F("Ok"));

  M5.Lcd.print(F("gprsConnect(soracom.io)"));
  modem.gprsConnect("soracom.io", "sora", "sora");
  M5.Lcd.println(F("done"));

  M5.Lcd.print(F("isNetworkConnected()"));
  while (!modem.isNetworkConnected()) M5.Lcd.print(".");
  M5.Lcd.println(F("Ok"));

  M5.Lcd.print(F("My IP addr: "));
  IPAddress ipaddr = modem.localIP();
  M5.Lcd.print(ipaddr);
  delay(2000);
}

void loop() {
  M5.update();

  M5.Lcd.clear(BLACK);
  M5.Lcd.setCursor(0, 0);
  M5.Lcd.println(F("World Clock from worldtimeapi.org"));

  /* HTTP GET example */
  if (!ctx.connect("worldtimeapi.org", 80)) {
    Serial.println(F("Connect failed."));
    return;
  }
  Serial.println(F("connected."));

  /* send request */
  ctx.println("GET /api/timezone/Asia/Tokyo.txt HTTP/1.0");
  ctx.println("Host: worldtimeapi.org");
  ctx.println();
  Serial.println("sent.");

  /* receive response */
  while (ctx.connected()) {
    String line = ctx.readStringUntil('\n');
    Serial.println(line);
    if (line == "\r") {
      Serial.println("headers received.");
      break;
    }
  }
  char buf[1 * 1024] = {0};
  ctx.readBytes(buf, sizeof(buf)); /* body */
  ctx.stop();
  M5.Lcd.println(buf);

  delay(1000 * 10);
}

今回は最小のサンプルですが、開発者サイトには SORACOM Harvest へ HTTP で10秒毎に送信するスケッチを紹介していますのでぜひお試しください。700 mAh のリチウムイオンポリマーバッテリーを搭載する M5Stack 用電池モジュール を追加で積んで max が実測したところ約 4 時間稼動しました。この小さなパッケージで外部電源を用意せず4時間も稼動しますので、デモなどに最適と思います。

もちろんソラコムの提供する他のサービス SORACOM Beam / Funnel / Lagoon と組み合わせることもできます!

あとがき

Wi-Fi と Bluetooth Low Energy といった近距離無線通信を備える M5Stack に SORACOM IoT SIM のどこでもつながるコネクティビティが加わることで、より活用シーンを広げることができると考えています。

カラーディスプレイやボタン、アンテナがパッケージされている(基板むき出しではない) M5Stack は、Raspberry Pi + USB ドングルの組み合わせや Wio シリーズ とはまた違う魅力のあるプロトタイピングデバイスです。IoT を推進するためのスモールスタートからの検証と成長の繰り返しにとてもよいデバイスと思いますので、ぜひみなさまの活用シーンやユースケースを教えてください。

今回はソラコムエバンジェリストの max とサポートエンジニアの kaoru の合作でお届けしました。


ソラコム “Max” 松下 / “kaoru” 佐藤

OPTiM Cloud IoT OS と mockmock がSORACOM Funnelに対応しました!

本ブログでは初めての投稿になります、パートナーSAのtakiponeです。

SORACOM Funnel に Partner Hosted Adaptor として新たに OPTiM Cloud IoT OSmockmock が対応することをお知らせいたします。

SORACOM Funnel Partner Hosted Adaptorとは

SORACOM Funnel(Funnel)は、クラウドリソースアダプタとして対応クラウドの形式に合わせた接続機能と認証情報を管理するサービスです。主要なクラウドサービスベンダー(いわゆるメガクラウド)の各サービスに加えて、SORACOM Partner Spaces の認定ソリューションパートナーのサービスにデータを直接送信できる Partner Hosted Adaptor に対応しています。今回2つのパートナーサービスが加わり、全部で12になりました。

OPTiM Cloud IoT OS

OPTiM Cloud IoT OSは、AIとIoTを繋ぐプラットフォームサービスです。「OPTiM Cloud IoT OS」はパソコンのOSのような直観的なインターフェースを持ち、セキュアにIoT端末の管理・制御を行い、IoT端末より取得したデータの蓄積や分析、各種AIの活用、さまざまなクラウドサービスとの連携を可能とします。Funnelと連携することでデバイスからのデータをシームレスにOPTiM Cloud IoT OSに連携可能です。

mockmock

Fusic様 mockmock はクラウド上に仮想デバイスを作成し、開発中のサーバーに疑似データを送信するサービスです。Funnelと連携するmockmockのDataRecorder機能によってデバイスから送信する実データをmockmockで記録し、それを元にした疑似データをサーバーに送信します。

本日リリースされたmockmockのSORACOMプランと組み合わせることで、開発フェーズでの疑似データによるmockmock活用から本番フェーズでのクラウドサービスへのデータ送信まで、デバイスのデータ送信先を変更せずにスムーズなフェーズの切り替えが可能です。

まとめ

SORACOM Funnel Partner Hosted Adaptor が新たに OPTiM Cloud IoT OS と mockmock に対応することをお知らせいたしました。Partner Hosted Adaptor の対応サービスは引き続き募集中です、ご興味を持たれた方はSORACOM パートナースペースプログラムへの参加をご検討ください。

参考リンク

ソラコムの RFID 実証実験

こんにちは、ソラコムの kaz です。

いよいよソラコムの一大イベント Discovery の開催が明日に迫りました。皆さま申し込みはお済みでしょうか?ソラコム社員一丸となって準備しており、素晴らしいイベントとなること間違い無しですので、ぜひお越しください!

さて、皆さまは RFID という単語を聞くと、何を思い浮かべられるでしょうか。改札口にかざすだけで通過できる IC カードや、最近だとアパレルのお店で商品を入れたカゴを置くと自動清算してくれる IC タグなどを想像された方も多いかと思います。 RFID 技術自体はそれほど新しいわけではありませんが、実はいろいろと新しい動きもあるようです。例えば、経済産業省のコンビニ電子タグ1000億枚宣言では、政府主導による大規模な RFID の実証実験が行われています。また、パッシブ型 UHF 帯の RFID の認知向上を目的として、RAIN RFID アライアンスが2014年に設立されました。「IEEE 802.11」という規格に対する「Wi-Fi」のように、「パッシブ型 UHF 帯の RFID」の規格に対する「RAIN RFID」としてエンドユーザに分かりやすく認識してもらえるブランディングを目指しているそうです。また、RAIN RFID の資料によると、2018年に世界中で利用された IC タグの数はなんと150億にも上るそうです。他にも、RFID リーダーが RF タグを検知できる距離が年々伸びていたり、距離や角度を高精度に把握する技術、AI やドローンを活用したソリューションなど、RFID の分野は進化を続けております。

そんな状況の中、ソラコムでも RFID で何かやってみようという声が上がりました。そこで社内でブレストをしたところ、明日開催する Discovery で人数カウントできると面白いんじゃないか?という案が出ました。その結果、一度自分達で RFID を使ったシステムを作ってみて、出てきた課題を SORACOM プラットフォームでどのように解決できるのか試してみようと Just Do It の精神で実証実験することにしました。

明日お配りする来場者用のパスケースには以下の RF タグを付けており、セッション会場に設置した RFID リーダーで人数カウントをします。パスケースはランダムに配っており、個人情報には一切紐付いておりませんのでご安心ください。

rf-tag

RFID を利用したシステムを構築するには、当然ソフトウェアだけでは完結せず、IC チップの入った RF タグやそれを遠くからスキャンする RFID リーダーなどの調達も必要です。また、RF タグを来場者用のパスケースにそのまま貼り付けた場合、衣服を通して身体と接触するので、思った通り検知してくれないなど、RFID ならではの問題にも突き当たりました。他にも、「10台ある RFID リーダーそれぞれに手動で設定変更するのは大変」「セッション会場・展示会場・出口にある RFID リーダーで役割を変えたい」「会場の様々な箇所に RFID リーダーを設置するので、異常がないか見回るのが大変」などなど、物理の世界の課題が次々と現れます。これらの課題を乗り越えて作り上げたシステムが果たしてうまく動作するのか、今から非常にドキドキしています。

果たして、無事思った通りにデータが取れるのか、それとも何らかのトラブルにより失敗に終わってしまうのか、結果は後日報告したいと思います。 Discovery 当日は、ソラコムブースで会場の状況をご覧頂けるようにしていますので、ぜひお越し頂ければと思います。お待ちしてます!

(7/10追記:結果をこちらに掲載しました!)

ソラコム kaz 中西

日本・グローバルでの利用を想定したUSBドングルタイプのLTEデバイス「UX302NC-R」の取り扱いを開始しました!

ソラコムの堀尾です。

この度、USBドングルタイプの製品ラインナップを拡充することになりましたので、新製品を紹介します。USBドングルタイプのセルラーモデムは、USBポートを持っている機器であれば幅広く使えるため、回線接続の手段としては非常にシンプルです。幅広い用途で使われるため、お客さまの要件も幅広く、弊社でも必要に応じて取扱製品を増やしていく考えです。

製品紹介

本製品は、日本だけでなくグローバルでの利用を想定しており、plan-D、plan01sでご利用できます。また、本製品は、GSM(2G)~3G~LTEに至るまでの各世代のネットワークテクノロジに対応しており、plan01sにて提供しているSMSサービスなどについてもご利用頂けます。 https://soracom.jp/services/air/cellular/#feature_sms

※ KDDI SIM(plan-K)はご頂けません。KDDI SIM(plan-K)対応USBドングルとしてはこちらのご用意があるので併せてご覧ください。
https://soracom.jp/products/module/gh-udg-mcltec/

使い方

本製品はこんな感じのパッケージに入っています。

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製品の端にツメを引っかけるところがあり、そこからカバーを外すことができます。カバーの下に、SIMカードを挿すスロットがあります。

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本製品のSIMスロットは、マイクロSIMに対応しています。マイクロサイズのSIMを購入していただくか、アダプターをご利用ください。SIMスロットの横に描かれた絵で、SIMの向きが分かるようになっています。

Windows 10

本製品を挿すと、ディスクドライブとして認識され、中にインストーラが入っています。

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ドライブをダブルクリックするとインストーラが起動します。

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あとはウィザードに従ってインストールを進めます。

ux302nc-r

完了したら、インストールされた「UX302NC Data Connection Manager」を起動します。

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左上のSettingアイコン ⇒ プロファイル設定を選択し、プロファイルを新規作成します。ここに、SORACOMのAPN情報を入力します。

ux302nc-r ux302nc-r

左上のMainアイコンを選択し、接続ボタンを押すと、

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接続できました!

macOS

Macの場合も、動作手順はWindowsと同じです。本製品を挿すと、ディスクドライブとして認識され、中に「MAC Installation」という名のインストーラが入っています。このインストーラを実行します。

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ユーザ名、パスワードを聞かれるので、入力してインストールを進めてください。

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Windows同様、本製品を使ったネットワーク接続には、専用アプリを用います。

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アプリの設定方法はWindowsと同じです。APNを設定してから接続ボタンを押すと、

ux302nc-r

接続できました!

購入方法

UX302NC-Rは「日本」と「グローバル」カバレッジの、どちらのコンソールからでもお買い求めいただけます。それぞれ、以下の価格で購入可能となっています。

  • カバレッジタイプ(日本):18,000円
  • カバレッジタイプ(グローバル):$165

コンソールから「SIM / デバイスを購入」⇒「新規注文」を選択し、購入品目のリストからUX302NC-Rを選択して、購入してください。

まとめ

Windows/Macで専用アプリを使って接続できるため、特にPCなどで利用しやすいと思われます。日本・グローバルでの利用を想定した「UX302NC-R」をぜひソリューション活用してください。

ソラコム 堀尾

新機能: バイナリパーサーを簡単にお試しいただけるようになりました

はじめまして。ソラコムでサポートエンジニアをしている佐藤です。社内では kaoru と呼ばれています。これまでは某外資系企業にてテクニカルサポートや IoT のプロフェッショナルサービスのチームでエンジニアやマネージャーとしてキャリアを積んできましたが、昨年末の 社員レポート にとても共感し 2019 年 4 月にソラコムに入社しました。

あと2週間を切った 7 月 2 日(火) 年次カンファレンス SORACOM Discovery 2019 に向けて社員全員忙しくしておりますが、今回はバイナリパーサーの挙動を簡単にお試しいただける SORACOM Binary Parser Playground を公開しましたのでご案内します。

SORACOM Binary Parser Playground

バイナリパーサーとは、デバイスから送信されたバイナリデータをお客様が定義したフォーマットに従って SORACOM プラットフォーム上で JSON 形式にデコードし SORACOM Beam / Funnel / Harvest に送信できる機能です。これまで 詳細なガイド をご用意しておりましたが、ご覧いただくとお分かりのようになかなか複雑なフォーマットとなっており、かつ、挙動の確認には (1) ユーザーコンソール で設定、(2) デバイスからデータ送信、(3) Harvest で受信したデータを確認というサイクルを回す必要があり、もっと簡単にできない?というご要望を多くいただいていました。

ソラコムのサポートチームはお客様自身で疑問点を解決できる仕組みを整え、お客様が私たちにお問い合わせすることなくソラコムのサービスを使いこなしていただくことを目指しています。この目的を達成する取り組みとして Binary Parser Playground を開発しました。以下のステップでバイナリパーサーの挙動を簡単に確認・テストいただけます。

  1. 入力エリア上部にバイナリパーサーのフォーマットを入力する。
  2. 入力エリア下部にサンプルデータを入力する。
    • 行区切りで 5 個まで入力できます。
    • デバイスの仕様書からサンプルを起こす時は 2 進数、Harvest に送信されたデータからコピーアンドペーストするときは 16 進数 (Base64) を選択すると便利です。
  3. 変換 ボタンを押す。
  4. 出力結果を確認する。
    • 右下のアイコンをクリックすると出力結果をクリップボードにコピーできます。

簡単ですね。バイナリフォーマットの重要性については 2018 年 9 月の リリースブログ でエバンジェリストの松下 (max) も熱く語っていますが、通信量・通信料金の削減だけでなくデバイスの消費電力の低減にも寄与しますので、この機にぜひご利用をご検討いただければと思います。

以下余談ですが、今回の開発とリリースでは各所で ソラコムのカルチャー を感じることができ、入社早々とても楽しい経験になりました。

  • こんなの作ったみたんですけどと出してみると大盛り上がりしてくれるエンジニアやソリューションアーキテクト達 (Just Do It and Likability)
  • 通信料金を下げる活動だとしてもお客様のためであると即座にリリース決定したグロースエンジニア (Customer Centric)
  • サポートエンジニアでもお客様を支援するアイディアを本番化できる雰囲気と環境 (Think without Boundaries)
  • 社内リリース後にさっそくお客様目線で改善アイディアを出してくれるソリューションアーキテクト (Kaizen)
  • 突然 Penetration Test を仕掛けてくる怖い先輩 (Share Everything You Can…?)

ソラコムではサポートエンジニアもエンジニアリングチームの一員として、お客様からいただいた課題を解決するだけでなく積極的に支援する活動が推奨されるとてもよい環境です。絶賛募集中ですので、このような環境でお客様のビジネスをサポートしたい!という方は以下のようなメンバーに直接会って話せるイベントへぜひお越しください。

まとめ

サポートチームのもう一つの大きな目的は、お客様の声をサービス改善につなげることです。今後もお客様によりソラコムを使いこなしていただけるよう改善を図っていきたいと思います。


ソラコム kaoru 佐藤

【新発表】SORACOMのIoT回線契約数、100万突破!!

本日は、SORACOMが提供する IoT 回線の契約数が100万を超えたことを発表させていただきます!

契約数100万

SORACOM Air for セルラーは、IoT 向けのデータ通信SIMを提供するサービスです。Web コンソールや API を利用して SIM を発注・利用開始でき、各種設定の変更や、通信量を監視するなど IoT デバイスを一元管理することができます。このたび、この IoT 向けのデータ通信 SIM の契約数が100万を超えたことをお知らせいたします。

IoT プラットフォーム SORACOM

現在、SORACOMは、グローバルで1万5000以上のお客様にご利用いただき、500社以上のパートナー様にご支援いただいています。米国・欧州などに拠点を設け、グローバルへの展開も積極的に行ってまいりました。

SORACOM Air と SORACOM Beam の2つからはじまったサービスは、お客様のフィードバックに基づいて、2週間の開発サイクルで改善し続けました。13個目の最新サービスは、SORACOM Lagoonということで、アルファベット順に出してきたサービスもいよいよ「L」まで達しました。以下の図は、これまでのソラコムの主要なリリースの歴史です。

ちなみに、7月2日に開催される弊社イベントSORACOM Discovery 2019では、さらに複数の新サービスや多数の顧客事例を発表する予定ですので、ぜひご参加ください!

サービスリリース

下記は、現時点での SORACOM サービス一覧図となりますが、データ通信のための SORACOM Air のみならず、クラウドにデータを簡単かつセキュアに転送できるアプリケーションサービス、ネットワークサービス、データを保存するストレージサービス、そして可視化を行うダッシュボードサービス等、お客様が IoT システムを迅速かつ柔軟に構築するためのサービスが一通り揃っています。お客様が、そのニーズにあわせて、データ通信 SIM のみ、もしくはデータ通信 SIM とストレージなど、必要なサービスをいつでも必要なだけお使いいただけるようにデザインしています。

ちなみに、SORACOM 自体のプラットフォームは、クラウド上に構築したセルラーコアの特徴を活かすことで、回線数が増加しても、アーキテクチャを変えることなく仮想サーバの数を増やすことで、100万回線をサポートするに至っています。これからも増え続けるデバイスを、同様にサポートすることが可能です。

ソラコムプラットフォーム

SORACOM Air そのものも進化を続け、現時点で、KDDI回線(plan-K)、ドコモ回線(plan-D)、それから、世界130以上の国と地域で利用できるグローバル対応SIM(plan01s)、低容量特化で約40円/月の SIM(plan01s-LDV) と、複数の SIM を用意しています。特徴の異なるこれらの SIM をお客様のニーズに合わせてお選びいただけます。

SORACOM Air for セルラー

多岐にわたるお客様事例

お客様事例も100以上の事例を公開しており(詳細事例はこちら)、カテゴリーに分けると、下記のように、動態管理、遠隔監視、インフラ、決済端末、工場の可視化、一次産業(農業・漁業・畜産)と多岐にわたります。

お客様事例

最近は、特にコンシューマー向けのプロダクトやサービスに SORACOM が使われる事例も増えてきています。下記は、その公開事例の一部となります。

例えば、富士山の銘水様のウォーターサーバーは Amazon でも販売されていますが、SIM が内蔵されており、水の残量をセンシングすることで、必要なタイミングで水がお届けされるので、水ボトルのストックが足りなくなったり、逆に溜まりすぎたり、といった心配がなくなります。74言語対応のAI通訳機の POCKETALK®(ポケトーク)もグローバル対応 SIM が使われており世界中でご利用いただけます。

ソラコム事例 コンシューマープロダクト

チップ型SIM (eSIM)が約半数

驚かれるかもしれませんが、SORACOMで繋がっているIoTデバイスの約半数に、カード型のSIMではなく、製品に半導体として組み込まれたチップ型SIM (eSIM)が採用されています。さきほど紹介したようなコンシューマー向けプロダクトにおいても、工場出荷時点からSIMが組み込まれて、コネクティッド・サービスとして提供されているケースが増えているのです。これはここ数年の大きな変化と言えるでしょう。

チップ型SIM (eSIM)

これまでのSORACOM

この記事では、SORACOMが提供するIoT回線の契約数が100万を超えたことを発表させていただきました(発表のプレスリリースはこちら)。

ソラコムは、「世界中のヒトとモノをつなげ、共鳴する社会へ」をビジョンに、2015年9月に IoT 通信プラットフォーム SORACOM を提供開始しました。

当時はまだ10人未満のチームでしたが、チーム一丸となって全身全霊をかけて創り出した SORACOM が、少しでも多くの人に使っていただけることを祈って、サービスを発表しました。しかし、「IoT に特化した SIM とプラットフォームサービス」、「通信とクラウドの融合」という新しいサービスカテゴリであったために、発表時にIT pro Expo 2015では大賞を頂きましたが、思ったほどにはSIMは売れず、口には出さないけどチーム全員非常に不安になる船出でした。

「世界に関する命題のうち、多くの人が真でないとしているが、君が真だと考えているものは何か?」 by ピーター・ティール『ゼロ・トゥ・ワン』

それでも、我々は信念を諦めることは一度もありませんでした。IoT 通信プラットフォームが必要とされる未来があると信じて、チームの唯一無二の KPI として回線数を掲げ、毎日1枚でも多くの SIM を使っていただけるように、ベストを尽くすことにしたのです。

「Customer Centric」というソラコムのリーダーシップ・ステートメントに従い、お客様のフィードバックをカイゼン項目として取り込み、SORACOM Air、SORACOM Beam に続き、 SORACOM Canal、SORACOM Direct…そして SORACOM Lagoon に至るまで、一度も信念を曲げずに、サービス開発を続けてきました。「Develop Dream Team」の掛け声の基に、最高の仲間を採用し、挑戦と育成を重視し、チーム力を高めてきました。

2017年には、グローバルへの挑戦にコミットするために、KDDIグループに参画するという、経営上、大きな出来事がありました。チームの内外から、大企業の連結子会社になることで、ソラコムのカルチャーが、イノベーションが、スピード感が失われるのではないか、という不安の声もありました。

しかし、KDDIのベンチャーファーストの考えの下、ソラコムは独立し、かつ大きな支援を得ながら、経営を行ってきました。KDDIとの協業を基に、SORACOM Air の KDDI 回線の提供(plan-K)セルラーLPWA LTE-M 対応 (plan-KM1)など発表。その後も、新しいサービスを出し続け、SORACOM LTE-M Button powered by AWSのようなクラウドと通信とハードウェアが融合したデバイスも発表しました。ソラコムのカルチャーは失われることなく、着実に成長を続けてきました。その協業モデルに対して、2018年2月に経済産業大臣賞「ベンチャー企業・大企業等連携賞」も頂きました。

そして、お客様に恵まれ、パートナー様に恵まれ、ユーザー・コミュニティに恵まれ、この2019年6月に100万回線を超えたことを発表することができました。 More than one million IoT devices are connected through SORACOM!

これからのSORACOM

ソラコムは、パッションを持って物事に取組み、学び、努力をすれば、機会は誰にでも均等に与えられあらゆる道が拓ける、ことを信じており、そういう世界を実現したいと考えています。

そして、創業当初から「テクノロジーの民主化」を掲げています。テクノロジーの民主化には厳密な定義はありませんが、次のように考えています。

「ある特定のテクノロジーは非常に重要であり、今後も世の中を大きく変えていく避けられないトレンドであるため、それを特定の個人・企業・業界が専有するのではなく、個人・中堅中小企業・大企業にかかわらず幅広く使える形で広めていく」『公式ガイドブック SORACOMプラットフォーム』

我々は、「世界中の企業・個人にとって重要なIoTをはじめとするテクノロジーを、できるだけ多くの人の手に行き渡らせたい」、「社会課題を解決しようとする情熱を持つ人々を勇気づけ、支援したい」と常々考えているため、お客様事例で紹介させていただいたような沢山の素晴らしいプロダクトが世の中に創り出されていること、を非常に嬉しく感じています。また、それをソラコムが微力ながら支援させていただけていることを、光栄に感じています。

今回の記事では、100万回線の発表することができました。これからも、ソラコムは、世界中のIoTプロダクトやサービスの基盤となるプラットフォームとして SORACOM を信頼いただけるように、この事業にフルコミットします。日本発グローバル・プラットフォームを目指し、楽しく前向きに取り組んでいきます!

You create, We connect!!!

by チームソラコム


追記: 100万回線という節目を超えても、チームソラコムは立ち上げ当時の気持ちのまま、次のステージへ全力疾走しております。7月2日に開催される弊社イベントSORACOM Discovery 2019へぜひご参加ください!今のSORACOM、そして、これからのSORACOMを皆様に体験いただけることを楽しみにしています!

参考リンク

電力の ON/OFF を RTC で制御できる Wio Extension - RTC を出荷開始

電源とネットワークさえあれば、どこでも仕事ができる ソラコム “Max” 松下です。

IoT の活用シーンがどんどんと広がっている中、例えば屋外といった場所でも「IoT でデジタル化したい」というお話をうかがいます。ネットワークは SORACOM でご提案できるのですが、課題は「電源の確保」です。

今回ご紹介する「Wio Extension - RTC」は、 電力の ON/OFF を RTC で制御できる 電力制御ボードで、 SORACOM ユーザコンソールからお求めいただけるようになりました!

Wio Extension - RTC board

RTC とは?

Wio Extension - RTC の製品名についている RTC は Real Time Clock の略称で、時刻をカウントし続けることに特化している、いわゆる「時計」です。 非常に低消費電力で動作し、また、特定の時刻に連動してスイッチを操作することができる、簡易マイコン的な動作も可能です。

Wio Extension - RTC は、名前の通り RTC を搭載しており、連動するスイッチは「電源の ON/OFF」という設計になっているボードです。 よって「特定の時間が経過したら電源を ON にする」もしくは、Wio Extension - RTC に対して「電源 OFF」というコマンドを出すことができるため、時間に連動した電源の ON/OFF が可能となります。

消費電力と RTC の関係性

デバイスの消費電力の削減の基本的な戦略の一つに「動作していない時は寝かせておく」というものがあります。 「寝かせる」とは、すなわち電力の供給を断つ、もしくは、待機中の電力を限りなくゼロに近い状態にしておくという意味で使われることが多いです。

例えば「1時間に1度、周辺温度を計測してクラウドに送信」という要件の場合、その動作時間のほとんどが待機ということになりますが、通常は待機中といえども、結構な電力を消費しています。

昨今は、マイコン単体でも省電力モードへをサポートしており、単体でも低消費電力化が可能なのですが、マイコンに合わせてレジスタにビットを立てたり、時刻の計算を2進数で行ったりと、高度なスキルが要求される事が多くあります。

RTC とそれに連動する電源があれば、簡単に “寝かせる” ことができるので、待機電力の無駄を手軽に削減できます。 Wio Extension - RTC は、それに特化した拡張ボードなのです。

Wio Extension- RTC / 待機電力の無駄を手軽に削減

電源が OFF になるとメモリの中身はどうなるのか?

マイコンの電源が OFF になると、基本的にマイコン内のメモリの中身はすべて消えます。 こうなると、例えば「カウンタ」のような、マイコンの動作中の変数を記憶しておく手段が必要となります。

Wio Extension - RTC は、 4KB の EEPROM (不揮発性メモリ) を搭載しています。 EEPROM は電源が切れても中にデータを保持できるので、消えてしまっては困る変数の中身をここに書き込んでおき、次回の起動時に EEPROM から読み出すことで復元することができます。(まるで冒険の書、、、セーブデータですね)

Wio Extension - RTC セット

ソラコムから提供します Wio Extension - RTC の「セット」ですが、Wio Extension - RTC 本体に加えて Grove ケーブル、 microUSB ケーブルが標準添付された形 になります。 これで、すでにお持ちの Wio シリーズとの接続についても、このセット1つで完結します。

Wio Extension - RTC セットは SORACOM ユーザコンソール からご購入いただくことができます!

実際の利用方法

Wio Extension - RTC は、電源と Wio の間に割り込む形で設置します。 Wio Extension - RTC の I2C はどちらでも OK です。

Wio Extension - RTC / 構成図

Wio Extension - RTC 上の USB 信号線はすべてつながっているため、この状態でも Wio LTE JP Version における DFU モードや、Wio 3G SORACOM Edition のソフトウェア書き換えが可能です。

ライブラリ

Wio LTE JP Version 用のライブラリが提供されています。GitHub の Seeed-Studio/Wio_Extension_RTC からダウンロードしてください。

インストールガイド、そしてサンプルコード(スケッチ)も同梱されているので、取り組みやすくなっています。

注意点としては、Wio Extension - RTC に対しては I2C で通信するため Wio.PowerSupplyGrove(true); を実行するようにしましょう。

指定できる時刻の形式

指定可能なのは「今から~後に ON にして」を RTC.SetWakeupPeriod(int boot_interval); という関数で実行します。単位は秒で指定です。

実装のポイント

マイコン側から見ると「毎度、電源 ON」ということになるため、センサーや周辺機器における電源 OFF 前の終了処理や、次回起動時の初期化処理で矛盾が発生しないようする配慮が必要となります。

状態の記録には後述する EEPROM が有効ですので活用しましょう。

Wio Extension - RTC 自体の消費電力

Wio Extension - RTC 自体も、RTC という部品に電力供給する必要があるため電力消費が発生しますが、計測したところ「ほぼゼロ」という結果でした。カタログスペックを見ても確かに “1μA 以下” と、非常に小さい電力で動いていることがわかります。

これだけ消費電力が小さいと、モバイルバッテリーなどは自動 OFF 機能が働いてしまい、 Wio Extension - RTC からの電力回復をしようとしても電力供給されないという事態になります。 これを回避するためには、「微弱な電流でも給電できる」モバイルバッテリーや、「乾電池を束ねて利用するタイプ」のモバイルバッテリーを検討してみてください。

EEPROM の運用

Wio Extension - RTC 上の EEPROM のサイズは 4KB です。 読み書き速度は低速、そして読み書き回数による寿命が 10万~100万回と言われています。

10万回というとかなりの回数があるように思えますが、たとえば1秒に1回書込みを行うと、1日で86400回に到達します。 こういうことからも、頻繁に動作するものではなく、待機が長いデバイスに対する電力削減の手段としてお使いください。

また、 EEPROM の中身は Wio Extension - RTC 自体の電源が切れてしまっても保管されます。 逆に言えば自分で消去(NULL で埋める)する必要がありますし、アクセスの保護をする仕組みもないため、EEPROM に機密情報は書かない方が良いでしょう。 (そのために SORACOM BeamSORACOM Funnel があります!)

ボード上の “SW1” スイッチ

SW1 は A は常時給電されます。ボードの電源を OFF にする RTC.shutdown() は、実行はできますが無視されます。これは Wio LTE JP Version や Wio 3G SORACOM Edition のソフトウェア更新の時に便利です。

SW1 が B で RTC.shutdown() などの関数が機能するようになるため、普段は B にしておきましょう。

SW1 は B で運用

あとがき

IoT において「電力が問題なんだよね」という課題を持たれた方は、個人的には「IoT のトップランナー」だと感じています。 電源の問題というのは現場で、しかも実際にやってみないとわからないということもあり、実際に手を動かした方が感じる課題です。

Wio Extension - RTC は、 IoT のトップランナーの方きっと役に立ちますので、是非ともトライしてみてください。

あとは、仕事の無駄を削減する拡張ボードが欲しいですね!


ソラコム “Max” 松下

SORACOM LTE-M Button を様々なクラウドで活用するアーキテクチャー例を公開しました

ボタンの話になると出現するソラコム “Max” 松下です。

先日公開した SORACOM LTE-M Button を様々なクラウドや SaaS で活用するアーキテクチャー例 について、見どころや運用費用について解説します。

SORACOM LTE-M Button、大人気です

省電力の LTE 通信 “LTE-M” を搭載して「どこでもボタン」を実現する SORACOM LTE-M Button シリーズですが、多くの「やってみたブログ」が公開されたりと多くの方にお使いいただいており、ソラコムスタッフ一同も「こんな使い方があったのか!」と驚く毎日です!

お求め安くなった SORACOM LTE-M Button for Enterpriseや、接点入力を搭載した “Plus ボタン”は、データ収集・蓄積サービス “SORACOM Harvest” や、ダッシュボード作成/共有サービス “SORACOM Lagoon” と容易に組み合わせることができるので、クラウドサービスを別途用意することなくアプリ開発いただけるのですが、実はデータ転送サービス “SORACOM Beam”クラウド・アダプタ サービス “SORACOM Funnel” にも対応しているので、クラウドの連携も実現いただくことができます。

そうなると疑問は「クラウド側はどのように構成すればいいのか?」ということになります。実際、多くの声をいただいていたので、各クラウドに精通した方々にお伺いしながら LTE-M Button を活用したクラウド側の構成例 を作りました。

公開しているデザインパターンとアーキテクチャ例

今回のドキュメントで公開したパターンは全て「FaaS 連携」をゴールとしています。

FaaS とは “Function as a Service” の略で、なんらかのトリガーをきっかけにそのコードが実行されるサービスです。本来プログラムコードを実行するにはサーバを立ち上げて、プログラムの実行環境を整え、トリガーの受付を作るといった作業が必要でしたが、これらがすべて最初から準備されています。代表的なサービスとしては AWS LambdaAzure FunctionsGoogle Cloud Functions といったものになります。

SORACOM LTE-M Button のデータ送信を「トリガー」として、4つのクラウドのそれぞれの FaaS と組み合わせる方法です。

詳しい構成は SORACOM LTE-M Button を様々なクラウドや SaaS で活用するアーキテクチャー例 をご覧ください。

費用に関する考え方

アーキテクチャは明確になったけれど運用費用はどのくらいかかるのか?という疑問もあります。ここでは費用について考えていきたいと思います。

※ 本ページにおいては全て税抜き価格で小数点未満は切り上げ計算しています。また、為替レートや通信条件によって前後することがあります。
※ 本ページで紹介している料金については 2019年5月時点の料金となります。最新の情報は各サービスや商品のページをご覧ください。

SORACOM LTE-M Button for Enterprise / Plus

SORACOM LTE-M Button for Enterprise の総費用は以下の通りです。 (Plus も同様です)

  • SORACOM LTE-M Button for Enterprise
    • 5,980円(本体価格 *1) + 100円/月(月額費用) + 約0.25円/回(通信料金 *2) + SORACOM サービス利用料 + クラウド利用料

(*1) Plus の場合は本体価格が 7,380円 (*2) 【参考】クリック時のデータ通信量SORACOM Air 日本向け SIM / plan-KM1 データ通信料 を基に算出しています。

例1: 1日3回、1か月間(30日)、クラウド連携に SORACOM Beam を利用した場合

  • SORACOM LTE-M Button for Enterprise: 約6,103円クラウド利用料
    • 本体価格: 5,980円
    • ランニング: 約123円
      • plan-KM1 月額 (100円 × 1か月) = 100円
      • plan-KM1 通信料 (3回 * 30日 * 約0.25円) = 約22.5円
      • SORACOM Beam 利用料 (3回 * 30日 * 0.0018円 *3) = 0.162円
      • + クラウド利用料

クラウド利用料については、それぞれの料金ページを参照ください。考え方については クラウド側の費用の考え方 で解説しています。

(*3) SORACOM Beam は SORACOM への IN と SORACOM からの OUT のそれぞれに 0.00009 円が計上されるため、IN/OUT の計として 0.0018 円として算出しています。

例2: 例1と同条件でデータ蓄積・収集サービス SORACOM Harvest を利用した場合

  • SORACOM LTE-M Button for Enterprise: 約‭6,253円
    • 本体価格: 5,980円
    • ランニング: 約273円
      • plan-KM1 月額 (100円 × 1か月) = 100円
      • plan-KM1 通信料 (3回 * 30日 * 約0.25円) = 約22.5円
      • SORACOM Harvest 利用料 (5円 x 30日) = 150円

一見、SORACOM Beam を利用した方が低コストに見えますが、データの収集と蓄積に特化した SORACOM Harvest はクラウド側の準備や費用が不要になるので構築の手間や開始までの速度で有利なうえ、 SORACOM Lagoon を組み合わせれば、クラウドと同等レベルの表現力やデータ共有する仕組みをお使いいただくことができるようになります。

SORACOM LTE-M Button powered by AWS

ソラコムでは AWS IoT 1-Click というサービスとの連携に特化した SORACOM LTE-M Button powered by AWS も扱っています。 こちらの総費用は以下の通りです。

  • SORACOM LTE-M Button powered by AWS
    • 7,980円(本体価格) + 28円/月(月額費用 *4) + クラウド利用料(*5)

SORACOM LTE-M Button for Enterprise とは異なり、本体価格に1,500回分の通信料金が含まれている ため、運用費用はクラウド側に集中できるのが特徴となります。

(*4) 本来は “クラウド利用料” である AWS IoT 1-Click ですが、必ず発生する費用であるため月額費用としての比較対象として明記しました。AWS IoT 1-Click の利用料金 0.25 USD/月を円換算(レート110円)を基に算出しています。支払先は AWS になります。 (*5) AWS IoT 1-Click の費用を除いた残りの利用料になります。

例3: 例1と同条件 (1日3回、1か月間(30日)) で利用した場合

  • SORACOM LTE-M Button powered by AWS: 約8,008円クラウド利用料
    • 本体価格: 7,980円
    • ランニング: 約28円
      • AWS IoT 1-Click 月額 (約28円 × 1か月) = 約28円
      • + クラウド利用料

for Enterprise と比較すると割高のように見えますが、同様の仕組みを for Enterprise で作る場合は Amazon API Gateway や AWS IoT Core の構築の手間が発生します。手軽に AWS Lambda を起動する環境としては手軽さという面で選択肢に挙がるでしょう。

クラウド側の費用の考え方

仮想サーバは自由度は非常に高いのですが、プログラムの実行の有無に関係なくサーバの動作時間で課金されます。 FaaS は「対応言語やバージョンを選ぶ余地が狭い」「ライブラリを自由にセットアップできない」などの制約もありますが、最大のメリットは 関数が実行された分だけの料金体系 です。

「いつ実行されるかわからない」プログラムの実行環境としては、 FaaS は非常にマッチしてるといえるでしょう。

今回公開したアーキテクチャ内で利用したクラウドサービスのほとんど※は、ボタンから発せられたデータをきっかけに関数が実行された時間に課金されるタイプのものですので、これを機に活用してみていただければと思います。

Azure Event Hubs だけは、仮想サーバの課金体系に似ています

あとがき

今回の検証でいろいろなクラウドを試用してみましたが、ほとんどが無料枠の範囲で収まりました。クラウド利用のハードルもかなり下がっているといえますので、皆さんの課題解決にマッチしたクラウドサービスをお選びいただき、ボタンアプリケーションを作っていただければと思います。 Let’s Button, Let’s FaaS !


ソラコム “Max” 松下

ソラコム料金見積り&見積書作成ツールが SORACOM Lagoon に対応しました。

みなさま、こんにちは! ソラコム江木(nori)です。

本日はソラコム料金見積り&見積書作成ツールSORACOM Lagoonにも対応しましたので、お知らせします。

これまで料金見積り&見積書作成ツールは、見積書PDF出力ユーザーインターフェイス大幅に改善、SIMや商品の見積もりなど、ソラコムのサービス同様に改善を続けています。

そして、このたび

  • SORACOM Lagoonの料金見積り
  • 商品の送料
  • 請求書払いの請求書発行手数料

にも対応しました!

SORACOM Lagoonの料金見積り

SORACOM Lagoonはダッシュボード作成/共有サービスです。データ収集、蓄積サービスSORACOM Harvestに集められたデータを対象に目的に応じて複数のグラフ、テーブル、地図等を組み合わせたダッシュボードを作成し、それらを共有できます。

見積り方法は、ソラコム料金見積り&見積書作成ツールから「アプリケーション連携」を選択して、

↓ Lagoonのプラン、利用月数を選択してください。

Proプランの場合は、追加パックを追加できます。 SORACOM Lagoonの料金はこちらをご確認ください。

商品の送料

発送先を選択いただくことで商品の配送料を見積ります。なお、送料はヤマト運輸の宅急便60サイズ(発送元:関東)と同額となります。

請求書払いの請求書発行手数料

ソラコムでは法人のお客様を対象に請求書払いに対応しています。 請求書の送付方法は「メール」、「郵送」を選択できます。郵送の場合、郵送手数料:200円/通が発生しますが、当ツールがこの見積りに対応しました。もちろん、見積書にも反映されます。

請求書払いのご申請はこちらからどうぞ!

なお、当ツールは、現状では、日本向けAir SIMを利用したサービスを対象にしております。

ぜひ、料金のお見積り、見積書の発行にご使用くださいませ!

ソラコム江木

SORACOM LTE-M Button Plus と Arduino をつなげて活用する方法

4月に入社したソラコムNEWBIEの堀尾(Hori)です。私の入社と同じ4月にリリースされSORACOM LTE-M Button Plusは、いわば同期です。そんな経緯により、LTE-M Button Plus の用途をさらに広げるべく、記事を書くことになりました。

SORACOM LTE-M Button Plus とは

SORACOM LTE-M Button Plus (以下、Plus ボタン) は Enterprise ボタンの機能はそのままに、接点端子コネクターがプラスされているデバイスで、名称の “Plus” の由来ともなっています。 機能面などは Plus ボタンの商品ページ をご覧いただければと思うのですが、Plus ボタンは「ボタン搭載」「接点入力搭載」という2つが特徴になります。

この接点入力に接続できるセンサーは、例えば磁気式のリードスイッチ(中に磁石が入っていて、磁力によってON/OFFになる)などがあります。

Plus ボタンの活用を広げる「マイコン連携」

それ以外にも、接点出力をするセンサーや機器はとても多く、これだけでも非常に便利に利用いただけるのですが、Arduino UNO R3 のようなマイコンと組み合わせることで「特定の条件を満たしたときに送信する」といったプログラマブルな使い方や、接点よりもより高度なセンサーも利用可能となるため、活用の幅がもっと広がります!

SORACOM LTE-M Button Plus と Arduino UNO R3

今回、実際にアナログ電圧出力の照度センサに連動して、メッセージを送る仕組みを作ってみました。回路構成は以下の通りです。

回路図

実際の様子がこちらです。

完成品

Arduino UNO R3 との接続

センサからボタンまでは、ざっくり以下のようなフローになっています。

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1.照度センサ ⇒ アナログ電圧出力
 ↓
2.Arduino ⇒ デジタル出力
 ↓
3.リレースイッチ ⇒ 接点オープン/ショート
 ↓
4.LTE-M Button Plus ⇒ メッセージ送信!

最終的にリレースイッチで接点オープン/ショートの制御を行っています。その前段にマイコン(Arduino)を接続することで、おおよそどんなセンサの出力も受けることができます。

そして組み上げた実物がこちらです!LTE-M Buttonに触るのは初めてだったので、秋葉原の買い出しも含めて3-4時間程度かかりました。

構成部品

構成部品はオンラインで揃えることができます。

※ケーブルなどは別途ご準備ください

Arduinoのソースコード

Arduinoのソースコードは以下の通りです。Plus ボタンは接点をショートさせる(= HIGH)時間により、シングル・ダブル・ロングの3通りのメッセージを送ることができます。(ボタンのシングルクリック・ダブルクリック・長押しに相当) 今回、シングルのメッセージを送るようにしていますが、ダブル・ロングのメッセージを送る動作も想定したソースコードにしました。

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int message = 1; // type of message : 1 -> SINGLE, 2 -> DOUBLE, 3 -> LONG
int relayIn = 2;

void setup() {
    Serial.begin(9600);
    pinMode(relayIn, OUTPUT);
    digitalWrite(relayIn, LOW);
}

void loop() {
    int sensorValue = analogRead(A0);
    Serial.println(sensorValue);
        if (sensorValue > 800) {
            if (message == 1) { // message : SINGLE
            digitalWrite(relayIn, HIGH);
            delay(200);
            digitalWrite(relayIn, LOW);
        } else if (message == 2) { // message : DOUBLE
            digitalWrite(relayIn, HIGH);
            delay(200);
            digitalWrite(relayIn, LOW);
            delay(500);
            digitalWrite(relayIn, HIGH);
            delay(200);
            digitalWrite(relayIn, LOW);
        } else { // message : LONG
            digitalWrite(relayIn, HIGH);
            delay(1500);
            digitalWrite(relayIn, LOW);
        }
        delay(3000);
    }
    delay(1000);
}

実際に試してみる

Arduino UNO R3 にスケッチを書き込むと、シリアルモニタに照度センサの出力が流れてきます。

照度センサの出力

今は420-430ぐらいでしょうか?センサの出力は0-5V(電源電圧)のアナログ電圧で、これを0-1023の整数にマッピングされて読み出しできるようになっています。 手をかざすと数字が下がるので、どうやら正しく動作しているようです。スマホの懐中電灯アプリで照らすと900以上の値になるので、閾値を800に設定しました。照度センサの出力が800を超えたら、メッセージが送信されます。

懐中電灯アプリで照らしてみると、Arduino UNO R3 が反応し、SORACOM LTE-M Button Plus に信号が送られました!

送信の様子

このボタンはあらかじめ SORACOM Harvest を有効化してあったので、即座にデータが確認できます。 SORACOM LTE-M Button Plus は、SORACOM LTE-M Button for Enterprise と機能的には全く同じなため、SORACOM Harvest の有効化のしかたは Getting Started に沿って行っていただければ、すぐにでもご利用いただくことができます。

SORACOM Harvest

ご注意事項

本構成は動作確認はされていますが、長期にわたる運用や動作環境、部品個々の安定性などについては未保証になっていますので、お手元の環境で確認されることをお勧めいたします。

まとめ

という訳で、Plus ボタンと Arduino UNO R3 を使って、「明るくなったらメッセージを送信する」仕掛けを作ることができました。 SORACOM では Plus ボタン以外にも IoT の開発フェーズや要件に応じた SORACOM をすぐに活用できるデバイスを用意しています。SORACOM ユーザコンソール からお求め可能です。

フェーズに合わせた SORACOM のデバイス

ぜひ、LTE-M Button Plusに色々なセンサをつないで、新しい使い方を見つけてください!

ソラコム Hori